テレビと Brooklyn DAC+ の音飛び対策
我が家では Mytek Digital の Brooklyn DAC+ を D/A コンバーター (以下、DAC) 兼プリアンプとして使用しています。
LG の OLED55B7P というテレビの光デジタル出力から、Brooklyn DAC+ の光デジタル入力端子に接続してテレビを視聴しています。 Brooklyn DAC+ の音質や使い勝手については満足しているのですが、テレビの視聴時に一つ不満があります。
不満なのは、テレビをしばらく (1 時間以上) 使っていると、音飛びが不定期に発生するところです。
この現象ですが、結論から書くと、一応解決できました。 解決するまで試したことを長々と書きますので、対策を知りたい方は下までスクロールしてください。
まず、サポートに問い合わせる前に、2 つのことを試しました。
光デジタルケーブルを別のものに変えてみる → 効果なし
昔買った 1000 円ぐらいの光デジタルケーブルを使っていたので、ケーブルの品質が悪かったり、劣化しているのかな、と予想しました。 そこで、AUDIOTRAK の GLASSBLACK2PLUS という、そこそこの価格で評判の良いケーブルに変えてみました。
しかし、効果はありませんでした。
光デジタルを同軸デジタルに変換してみる → 効果なし
オーディオテクニカの AT-HDSL1 という製品を使用し、光デジタルを同軸デジタルに変換して、DAC の同軸デジタル入力端子に信号を入力して試しました。
構成を簡単に図にすると以下になります。
[テレビ] <-- 光デジタルケーブル --> [コンバーター] <-- 同軸デジタルケーブル --> [DAC]
信号の変換が行われることで何かしらの変化が起こるのではないか、というのと、値段が安かったので試しやすかった、というのがあります。
あとで判明するのですが、この製品は信号を中継するだけのようで、効果はありませんでした。
サポートに問い合わせた
ここで輸入代理店のサポートに問い合わせを行いました。 これまで試した内容と、他のプリメインアンプ (Marantz の PM7005 や、逢瀬の WATERFALL Integrated 250) では音飛びは発生していない旨を記載しました。
問い合わせに対しての回答を要約すると以下の通りです。
- テレビの光デジタル出力のジッターが、Brooklyn DAC+ の光デジタル入力のジッター量の許容度を超えてしまう
- その際に接続が切れて、再接続すると、音が途切れる現象が発生する
- ジッター除去機能を持つ D/D コンバーター (DDC) を使用すると改善されるかも
- 光デジタルを同軸デジタルに変換する AT-HDSL1 も、デジタル出力のジッター量を引き継いだ状態で出力すると思われる
ジッターというのは正直なところ体感したことがなく、ノイズが入ったり音のリズムが変な感じになるのかな、と思っていましたが、音が途切れるレベルとは。 テレビの光デジタル出力の品質がよほど悪いということなのでしょうか。
次に、ジッター除去機能を持つ DDC を探してみました。
デジタル信号を改善するアクセサリーを試す → 効果なし
DDC に何万円もつぎ込むのはちょっと気がひけるので、iFi audio の SPDIF iPurifier という、アクセサリーでよく目にするメーカーのそこそこの値段の製品を購入してみました。
製品ページにはデジタル信号を改善する、と書かれているものの、ジッター除去とは明記されていないので、ちょっと失敗したかもしれませんが... 一応、パッケージに Eliminate Jitter と書かれていました。
期待していたのですが、効果はありませんでした。 この製品は、同軸デジタル/光デジタル両方で出力できますが、いずれも結果は同様でした。
Brooklyn DAC+ のクロックの同期を Input (スレーブ) から 48 kHz (マスター) に変更してみる → 効果あり
諦め気味でしたが、Brooklyn DAC+ の設定をいじることで何か改善できないか試してみました。
「Sync」という、クロックの同期についての設定があります。初期設定では「IN (Input)」となっています。 これは、テレビのクロックがマスターとなり、Brooklyn DAC+ がスレーブになる、という認識です。
「IN」以外に「44.1 kHz - 192 kHz」を選択できます。これらは、Brooklyn DAC+ のクロックがマスターとなります。 そこで、光デジタル出力のサンプリングレートである「48 kHz」に設定してみました。
この設定で数日使用していますが、一度も音飛びは起きていません。
素人考えですが、ジッターがひどくクロックの同期が切れると、音が途切れてしまう。Brooklyn DAC+ でクロックを固定することでそれを回避しているのでは、と予想しています (自分でも何を言っているか分からない)
原因はよく分かりませんが、自分のケースでは効果があったと言えます。
疑問点
いくつか疑問点が出てきました。
- 手持ちの他の DAC では音飛びは発生しないのに、なぜ Brooklyn DAC+ では発生するのか?
- 品質の悪い入力は相手にしていない?
- 他の DAC のクロックがマスターになっていた?
- しばらく (1 時間以上) 使用すると発生するのはなぜなのか?
- 正確に時間を計測していないので、ただの偶然かもしれない
- テレビ内部の温度の上昇によって音声出力に影響する?
技術的な理解ができるようになりたいな、と思いました。
終わりに
今回は解決しましたが、将来 DAC を買い換える際に、テレビとの相性を心配することになりそうです。
また、専門的な知識があるわけではないので、誤りなどありましたら、コメントをいただけると幸いです。